主婦の副業として伝統工芸品の制作をしています

私が最近はじめた主婦の副業はしめ飾りの内職です。私が住んでいる地域は全国的にも有名なしめ飾りの産地であるため、年末に限らず年中を通して、この内職の需要があります。そのため、私は小さな頃から、ご近所の女性たちが主婦の副業としてしめ飾り作りに勤しんでいる姿を見て育ってきました。だから、こうして大人になった私がしめ飾りの内職にたずさわるのは、ごくごく当たり前の自然のことにように思えて、なんだかクスッとします。伝統というものはこうして受け継がれていくものなのですね。

しめ飾りというとお正月に飾るものとされていますが、近年の民藝にたいする関心の高まりゆえか、最近では一年中しめ飾りを愛でたいという人たちもいらっしゃるようで、おかげさまで私の内職も時期を問わないものとなっています。もっとも本来のしめ飾りは藁を材料とするので、本物のしめ飾りを購入する場合は晩秋から冬にかけての時期にかぎります。しかし、私が住む地域では春や夏などは、しめ飾りとは少しデザインを変えて、藁以外の植物で代用してしめ飾りモドキを作ります。やはり、しめ飾りは正月に飾るものですから、本物のしめ飾りを作るのは年末だけにして、それ以外の季節はしめ飾りに似せたものを生産することにしているのです。伝統工芸特有の技術が評価されているからこそ、こうしたニーズがあるそうです。

私は自分が生まれ育った土地に、このような伝統工芸があることを誇りに思っています。今の時代は工業製品ばかりが身の回りに溢れ、それらは便利ですが、どこか冷たさを感じさせるものです。しかし、私たちが作っているようなしめ縄には手づくりゆえのぬくもりがあります。現代社会が忘れてしまったものを、私たちの手仕事が補っているのです。どうか、この手仕事の伝統が今後も主婦の副業として受け継がれていくことを願ってやみません。私の母や私がそうしてきたように、いつの日か私の娘にもこの主婦の副業を営んで欲しいと思っています。

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